上司の指示をうのみにせず、問題の本質を見抜く方法が学べる本「論点思考」

もう十数年前に書かれた本になるけれども「論点思考」(内田和成著)を読んだ。

自分はあきれるくらい論理的な思考ができない人間で、そのおかげで仕事の失敗は数知れない。仕事どころか人生にも失敗しているかもしれない。つまり行き当たりばったりなのだ。

そういう自分を何とか改善しようと俗にいう「思考本」をけっこう読んできた。つまりロジカルシンキングとは何か?どのように論理的に頭を使うのか?を教えてくれる本である。その中でも読んでみてわかりやすく腑に落ちたのがこの「論点思考」である。

著者である内田和成氏には「仮説思考」というベストセラーもある。こちらも読んだことはある。しかし自分にとっては断然「論点思考」が面白くためになった。

ロジカルシンキングというといかに「問題を解くか」に焦点を当てて書かれているものが多い。しかし「論点思考」ではいかに「問題を見つけるか」に焦点をあてて書かれている。

つまり最初の問題設定がデタラメであったら考えても時間の無駄でしょ、だからちゃんと解くべき問題を見つけましょ、ということである。この本にはどのように本質的な問題を見つけるか、また見つけるための勘どころを得るためにどのような見方をしたよいか事例を交えて説明している。

たとえばある会社の売り上げが下がったとき「売り上げが下がった原因は顧客獲得に問題がある」として、解決策を「広告をたくさん打つ」とやりがちだ。しかしよく調べてみると実は販売している「商品」自体に問題があるのかもしれない。その場合は魅力のない商品の広告をどれだけ売っても解決はしない。問題にすべきは「商品」であって「顧客獲得」ではない。

このような間違いは本当に多くある。自分の会社でもよくある。たとえば「売り上げは上がっているのにキャッシュが足りない!おまえら在庫を減らせ!人件費を減らせ!」と上司がお暴れになったことがあった。しかし、よくよく調べてみると売上を上げるために異常なまでの安売りをしたおかげで粗利率が下がったためで、問題は在庫でも人件費でもなかった。問題は安売りであり粗利率の低下だったということがある。

これはわかりやすい一例であり、ほかにもさまざまな本質を見誤った問題設定をしていることがあるだろう。そういった意味で問題を解決する方法よりも本当の問題を見つける方法がいかに大事かをわからせてくれる本である。

以下は個人的なメモ

筋のよい論点とは、かなりの確率で答えが出そうな論点であることが必要条件。そして、その解決策を実行したら、企業として成果がありそうなもの、ここまで満たしていれば十分条件

その問題が解決したときに、事業は本当によくなるのか、会社にとってどれくらいのインパクトがあるのか