気落ちしたけど面白かった高島宗一郎著「福岡市を経営する」

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福岡市の現市長である高島宗一郎氏の「福岡市を経営する」を読んだ。ちなみに自分は九州に行ったことがないし、もちろん福岡市にいったこともない。また福岡市といえば、なぜかしらないけど「修羅の国」とかなんとかネット界隈でいわれているくらいにしか知らない。しかし、この本を読むことでそんなネガティブなイメージは吹き飛び、またこんなすごい人物がいるのかとものすごい感動してしまった。

高島宗一郎氏は現在福岡市長を勤めて3期目である。初当選は36歳ということで現在は44歳になられる。なんと自分とほとんど年齢が違わない。それにもかかわらず3回も選挙に当選し、福岡市を最強の町にした人である。最強というのは、国際会議などの開催件数、全国の政令指定都市で1位、クルーズ船の寄航回数、横浜を抜いて日本一、政令指定都市で唯一、5年連続税収が過去最高を更新などなど、数え切れないくらいの業績を上げているのだ。

この本には高島氏が初当選以来、おこなってきた数々の政策や考え方などを余すところなく書かれている。読んでいるうちに自分と比較してしまい、なんて自分は小さいのかと元気になるよりも少しばかりか大いに落ち込んでしまったのはご愛嬌である。それにしてもすごい。何がすごいってそのタフさである。福岡市の職員1万5千人を率いることもそうだし、数々の誹謗中傷をものともせず政策することを決断したりとその苦悩は想像を絶する。自分だったらおそらくノイローゼになるかもう逃げ出していることだろう。

さて、さまざまな考え方や思いが書かれた本であるがその中でも特に共感したのが次の分だ。

誤解のないように申し上げますが、もちろん一人ひとりの意見は大切です。ただ、ひとり残らず賛成していただくことは、現実的には難しいのです。「全員をよくする」のは極めて難しい。ですから「全員をよくする」というよりは「全体をよくする」ことを考える必要があるのです。

高島氏がいうにはみんなのことを考える、つまり「全員」のことを考えると決断できない 。だから「全体」がよくなるかどうかで判断することで決断する。そうすれば必ずなかには不利をこうむるものもいるけれど、悪く言えば気にしないということだ。

自分でも少なからず少人数を率いるリーダーなのでその気持ちはすごくわかる。部門間での調整など一人ひとりの意見を聞いて、みなを満足させるような決定などできるわけがない。全体を考えてある決定をすると必ずある部門のものが不満を持つことは多々ある。心苦しいがいたしかたない。そうしないといけないことがあるということだ。自分はともかく百数十万人もの人口がいる福岡市ならなおさらであろう。

というわけで高島氏のおこなってきた政策の数々がどういった効果をあげたのか、ここぞといった決断をするときのキモというものがよくわかる本である。最後に高島氏が成人式のときに新成人に送る言葉が大変印象に残ったのでメモをする。

まずひとつ。「成功の反対は失敗ではない。成功の反対は挑戦をしないこと」

ふたつ目は「幸せだから笑うんじゃない、笑うから幸せになる」です。

成人式の自分に言い聞かせたい言葉だ。おそらくバカだから聞いていないだろうけど…。

 

 

福岡市を経営する

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