会社をズル休みさせる悪魔のささやきが聞こえた理由

今日、会社をズル休みした。社長なのにである。

朝、起きたらカフカの小説ではないけれど、虫ではなく牛のように体が重く、ベッドから起き上がる気力がなかった。とくに熱っぽいとか体が痛いとかではなく、ただただダルい。たまにこういう症状はあるけれど、いつもならガバっと起きて出社の準備をする。しかし、今日に限っては悪魔のささやきが頭の中にこだました。

「仕事、休んじゃえ、うへへへへ」

その悪魔のささやきが頭に思い浮かび上がったとたん、起きる気力がなくなったのだ。自分のことながらそんなささやきが頭にこだまするなんて、びっくりしてしまった。

ちなみに、私はあのクソおもしろくない義務教育の時代やけっこう自由な雰囲気であった高校生活でも、学校をズル休みしたことはない。もちろん会社をズル休みなどしたことはない。いや、ちょっとはある。だからだと思うが、そんな「ズル休み」をするという感覚があまりないので、いきなり今日、そんな気持ちになるとは思ってもみなかったのだ。

そこで布団の中で冷静になってみた。いったい「ズル休み」をする、したいという気持ちはどこに原因があるのかを内省、つまり自分の心奥底をのぞいてみた。すると、ある3つの理由から「ズル休み」という悪魔のささやきが発せられていることが分かった。

第一に、おととい、早朝から夜までかなりハードな現場仕事があった。この時期はこの手の仕事が多いので毎度のことなのだけれど、今回はいつも以上にきつかった。たしかそのハードな仕事をした次の日は疲れが残っていて、フラフラしていた。そして年をとると疲れがとれにくいのか後から出てくるのかわからないが、じつはそのときの疲れのピークが今日の朝、来たのではないかと思う。

第二に、今日は土曜日なのだが、会社に行っても私の仕事がない。うちの会社は年中無休で、シフト制によって社員の休みを回している。私は社長になってからも一応現場のシフトに組み込まれており、土曜日は出勤する日である。しかし、社長になってからというもの、わたしの現場仕事はほとんどほかの社員に振り分けてしまった。すると、会社へ行っても手持ちぶたさになる日が多くなる。とくに、土曜日などは平日の仕事を補完する日のようなもので、もともとすることがない。なので今日の朝、起きたときに「あ、今日は会社に行っても何もすることないな」という負の感情が起こったことも理由の一つだと思う。

第三に、昨日からものすごい花粉が飛んでいるらしく、最近、花粉症デビューした私はその影響をモロに受けた。もう、外を見ると近くにある山沿いが真っ白になるくらい花粉が飛んでいる様子がわかる。なのでおそらくこの気だるさの原因として花粉症もかかわっていると思う。

以上のような理由がおそらくは二重三重に絡み合い、普通ならば思ってもみない考えが頭に浮かび、また、私の気力をそいでしまったのだろう。いちおう「起きなければダメだ」という善良なる心が小さな小さな言葉をかけてくれるが、心の隅々まで肥大化した悪魔が、

「ぎゃはははは、休んじまえええええ!」

と叫びまくり、すべての良心を打ち消してしまう。

まあ、こういう負の感情をいだきながら仕事に行っても、みんなに迷惑を変えるわけだし、生産性もよくないし、休もうということで自分を納得させズル休みをした次第である。

みなさん、ごめんなさい。「悪魔のささやき」に完膚なきまでに打ち負かされてしまいました…。そして、おやすみなさい。