社長がトイレ掃除をすることで、本当に効果がある?

ブックマークをしているよく閲覧するサイトに「プレジデントオンライン」がある。その中で経営者ながら気になる記事があった。

president.jp

よく読むと記事の内容は題名とちょっとちがっていた。トイレ掃除のことはあまり書かれていない。ここで書かれているのは、「掃除とは、会社の理念やビジョンを突き詰めて、それに沿った振る舞いを身につけるトレーニング」であり、掃除をすることでみんな一心同体で働けるから業績が上がる、というような話だ。なので、よく風水で言われるトイレ掃除で金運を上げるとかの話ではなかった。

まあ、トイレ掃除をするだけで金運や業績があがれば世話はない、と思う。のだが!実は何を隠そう、私は社長という立場ながら毎日会社のトイレ掃除をしている。朝6時半くらいに出社して、男子の小便器2つ、洋式便器を1つ、女子の洋式便器を3つを掃除している。だいたいトイレ掃除が終わるのに40分くらいかかっている。

なぜそんなことをしているかというと、もちろん罰ゲームではない。また、超合理的な思考である私が、業績のためにトイレ掃除などしているわけではない。またまた、あの香ばしいトイレのにおいが好きだからトイレ掃除をしているわけではない。

数年前にイエローハットの創業者である「鍵山秀三郎」氏の本をよく読んでいた。鍵山氏は「掃除の神様」といわれるくらい徹底的な掃除をすることで知られている。とくにびっくりしたのは公衆便所など、あの激臭激汚いトイレをなんと素手で掃除するのだ。

最初読んだときは何だこの変態な人はと思ったが、どんどん本を読むにつれ、鍵山氏独自の徹底した哲学に裏付けられ、行われている掃除にものすごく感銘を受けた。とくにトイレ掃除をすることで次のような効果が得られると知ったとき、社長業をやる身としてぜひ自分もしなければと思ったのだ。その効果とは、

謙虚になれる 気づく人になれる 心が磨かれる

である。私はどちらかというとお調子者で「社長」なんて肩書を付けられた日には、もうその日から偉ぶり、社員を鼻でこき使い、他人様へ傲慢に対応することは目に見えている。また、床に落ちているゴミや、ちょっとした汚れなど気づかない、いや気づいていても気にしないほど私はダメ人間だ。こういう人間が社長になるのだから、何とかしなければと思っていたので、鍵山氏のトイレ掃除の効果を知ったときは絶対にやらねばと思ったのだ。

ということで早起きをして会社のトイレ掃除をして2年になる。もちろん自分の休みや出張時には他の社員が持ち回りでやってくれる。そして社員たちは私がトイレ掃除をしていることは知っているが、じつは「素手」でしていることを知らない。わざわざ言えないのは、「不潔」だと思われるからだ。だから内緒にしている。では実際にどのようにトイレ掃除をしているのか、参考にならないけれども記しておく。

私のトイレ掃除のやり方

特別、特集を組んで書く必要はないのだけれど、私がしているトイレ掃除の流れだけ紹介する。

まず、トイレの窓を全部開け換気をする。次にトイレに設置してあるゴミ箱や汚物入れをすべて入り口の外に並べる。そのあと学校で使うようなT字型のほうきで床をはく。もし天井などにクモの巣が張っていれば先にほうきではいておく。

床をはき終わったら、さきに各便器にトイレ洗剤をまく。使っている洗剤は「花王のトイレマジックリンスプレー」だ。それをまんべんなくシュッシュッと吹き付けていく。そして洗剤をまき終わったら、男女トイレに各1つずつある「洗面台」を掃除する。洗面台は「お風呂の洗剤」をスポンジにつけてごしごし洗い、仕上げにタオルで拭く。

洗面台が終わったらいよいよトイレ掃除だ。「素手」で洗うのだけれど、市販されている「トイレブラシ」は使わない。使うのは、びっくりするなよ、「バススポンジ」である。お風呂を洗う時に使う手に持つやつである。バケツに水を入れて、スポンジをいれる。それから男子の小便器、洋式トイレ、女子の洋式トイレと順番にゴシゴシとスポンジで洗っていく。う〇こがこびりついていたときは、トイレットペーパーでふき取るだけふき取る。さきに洗剤をまいていたので結構簡単に取れる。

スポンジでまんべんなくトイレを洗い終わったら、仕上げに雑巾で拭いていく。拭くときは雑巾に「アルコール除菌スプレー」を吹き付けながら拭いていく。まあ、いちおう衛生のことを考えてだ。

トイレを雑巾で吹き終わったら、雑巾を新しいものに変えて今度はドアの取っ手やトイレホルダーなど人がよく触るところを拭いていく。このときも、もちろんアルコール除菌スプレーを使う。ちなみに鏡にアルコール除菌スプレーを吹き付けてからふくと、ピカピカになる。

あらかた拭き掃除が終わった後、トイレットペーパーの補充をし、汚物入れやごみ箱がたまっていたら袋を交換する。あとは、汚物入れとごみ箱を元に戻して終了となる。これらの工程を丁寧にやることで、約40分ぐらいだ。

まあ「素手」でトイレを「スポンジ」で洗うということで、「いや~ん不潔!」と思うかもしれないが、私の考えではトイレブラシのほうがよほど汚いと思う。社員はトイレブラシを使っているが、トイレをブラシで洗ったらそのままケースに突っ込んでしまい、ブラシを丁寧に洗っているのを見たことがない。私のスポンジは丁寧に洗い、最後にはアルコール除菌スプレーをするのでブラシよりは清潔をたもっていると思う。まあ、言わないけど。あと「素手」だと病原菌などが付着してあぶないというが、この2年間、感染症などの病気にはかかったことがない。なので「素手」でトイレ掃除は見た目は汚く見えるが、けっこう安全で清潔だと思う。

と、あまり参考にはならないし、どうでもいいがこれが私のトイレ掃除のやり方だ。じつは鍵山氏の著作にはトイレ掃除のやり方を事細かく記したものがあるが、あれを実際やると、根気のない私は長続きしないだろうということで、だいぶアレンジしたやり方でおこなっている。

トイレ掃除をすることで効果はあったのか

それでは2年間、トイレ掃除をすることで私に効果はあったのか。極端な形での効果はなかったかもしれないが、内心では効果があったように思う。たしかに人一倍「謙虚」であるし、対外的にも偉ぶったりはしていない。そして、いつも年下に対しても敬語を使っている。また、積極的に会社の周りを掃除するようになったし、会社内での落ちているゴミなども拾うようになった。まあ、自分が感じるだけのことなので、他人から見たら変わっていないかもしれないけれど...。

もしかしたらトイレの神様はいるかもしれない

この話は余談として読んでもらいたいのだけれど、トイレ掃除をしてから不思議なことが起こった。それはタイミングが原因かもわからない。何が起こったかというと、会社の資金繰りがものすごく楽になったのだ。直接の原因は銀行から運転資金を借りることができたこと。そして、会社の「利益」自体が伸びたことだ。

銀行の借り入れに関しては、うちの会社は「要注意」な部類に分類されており、借り入れすることすらここ最近はできなかった。しかし、トイレ掃除を始めてから半年くらい立ったとき、飛び込みで銀行員が取引をしたいとやってきて、その銀行マンの尽力もあり資金の借り入れができたのである。銀行員が営業に来ることすらここ10年なかったのにである。まあ、「マイナス金利」の政策とか、銀行として貸出を強化せざるを得ない状況が原因があったとも思えるのでなんとも言えないけれど、ちょっと不思議だった。

「利益」に関しては、いままで「売上高」を上げることを目標にがんばろうとしていたところを、「粗利高」をあげるためにがんばろうとすることにした。するとみるみるうちに利益が上がりだし、キャッシュも増えた次第である。それがトイレ掃除と関係はないといえばない。でも正直な話、「売上高」を目的とせずに「粗利高」を目的としようと思いついたのはトイレ掃除をしている最中だった。

以上はあくまで余談である。超合理的な私が、トイレ掃除をすることで金運が良くなったとは考えない。あとは皆さんのお考えにおまかせする。 私としては、もしかしたら、もしかしたら、トイレの神様っているのかもとちょっと思っている。